blueblack
ゲーム『デビルメイクライ』シリーズ専用妄想ブログ。 基本大人のお姉さん向けです。
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【小話】なんてことのないはなし。
ピクシブに先行で乗っけてた分をちょいと下ろしてみました。
実はこれが初DMC話。何故か黒3D(でも43前提だと思う)です。
これ書いてた当時、4Dと黒さんで3を取り合うといいよ! とか思ってたのに、いつの間にかどっぺるちゃんが横から攫っていってました。わたしの脳内で←
とりあえずはどうぞー。
実はこれが初DMC話。何故か黒3D(でも43前提だと思う)です。
これ書いてた当時、4Dと黒さんで3を取り合うといいよ! とか思ってたのに、いつの間にかどっぺるちゃんが横から攫っていってました。わたしの脳内で←
とりあえずはどうぞー。
ぼんやりとした頭のままで起き上がると、申し訳程度に差し込んでいたはずの日差しはとうに失われていた。
ああ、いつのまに夜になっていたのか。そう思って、ベッドから降りて照明を付ける。傍らの熱を起こさないように、そっと。
壁際のスイッチを操作する。天井に設えていた蛍光灯が、わずかにぱちぱちと瞬きをするみたいに明滅を繰り返し、やがて部屋は柔らかな黄色に彩られた。
ふと、ベッドに残した毛布の塊を見やり、小さく苦笑する。
「よく眠ってるな」
少し長い銀の髪をそっと撫でて、そのまま自分もベッドに潜り込んだ。
本来、自分にはこんな廃工場の一角に残された部屋は必要ないのかもしれない。
かろうじて人間の姿をしているが、本性は悪魔そのものだからだ。ここに時折訪れているのも、単純に『人間の生活の真似事』をしているだけに過ぎない。
柔らかい人間の闇の塊。それが自分だ。
だというのに、腕に抱き込んだ彼は何でもないように自分に接してくる。
それが不思議に思ったが、満更悪い気はしなかった。
「……苦しい。おっさん」
抱き込んだ腕の中から、かすかに非難の声が上がった。そっと力を緩めると、綺麗な空色の瞳がこちらを見上げてきた。
起こして悪い、と囁いたが、軽く笑んで大丈夫。と返される。
まだ若い、しなやかな半身を起こして大きく伸び上がる。精悍な肉食獣を思わせる身体つきだというのに、その表情はまだどこか幼さを残していた。
これがあと何年もすれば、今の自分と同じ男になるのか。
以前それを指摘して不思議だと評価したが、その時は俺も、と頷いたのを思い出す。時系列の違う同じ人物が、この世界に数人存在するのはおかしいが、そのおかげでこいつを見つけた。悪くはない。
自分を生んだ本来の男の、過去の姿。
それを手に入れたのは、間違いなく自分だ。
煙草を吸いたくて、ベッドの端に寄せた煙草と灰皿を取り出すと、肘を付く彼があからさまに嫌そうな顔をした。そういえば、こいつら皆煙草は嫌いだったっけ。そんな下らないことを思い出したが、構わずに火をつける。
深く吸い込んで吐き出す紫煙を、彼は不思議そうに眺めていた。
「俺が煙草吸うのが、そんなにおかしいか?」
「おかしい、ってわけじゃねぇけど」
じゃあ何だ、と尋ねたら、自分と同じ考えを苦笑まじりで答えた。やはり、彼もそうなのか。一人勝手に納得する。
一本を吸い終わる頃合を見計らってか、なあ、と声をかけられた。
「ん?」
「腹減った。何か食えるのある?」
「……おいおい」
呆れるように肩を竦めた。そろそろ帰してやらないと、残された奴らが心配するだろうに。と、そこまで考えて、何でそんな心配をするのか自分でもわからなかった。
「連絡は入れるさ。あんたんとこにいる、ってのは、皆知ってるし」
「あ、そう」
ならば、好きにすればいいか。
わかった、降参だ。と呟くと、勝手知ったる他人の家とばかりにベッドを抜け出した。ついでに、床に落とした下着を拾い上げて身につける。
直に置いた電話をかけている間に、自分もベッドを降りて部屋の片隅にある冷蔵庫を開けた。いつも酒しか入っていないはずのそこには、いくつかの食材が安っぽいビニール袋にくるまれていた。これなら、簡単な晩飯くらいは作れるだろう。
「泊まっていいって言われた」
「おいおい、ずいぶんと放任主義だな」
電話を切った彼が、どこか嬉しそうな顔をこちらに向ける。一応(年を聞いたら)未成年に当たる子供を、連絡一ついれただけで泊まりの許可を与えるのはいいものか、少し悩む。
「どうせあんたのことは皆知ってるし、いいだろ。それより飯」
「わかったわかった。簡単なのでいいな?」
「おう」
どこか嬉しささえ浮かんだ笑顔で、彼は頷いた。
簡単に作ったオープンサンドを、ベッドに運んだ。家具がそれしかないから、ソファ替わりにして、二人並んでそれを食べる。
何故この時間を大切に思えるのか、自分でも不思議だが、それはどうでもいいことだった。目の前に、誰にも渡したくない存在がある。それだけで充分だった。
そっと名前を呼ぶ。自分を生んだ男の名前。
「ん?」
「愛してるよ」
こんな感情を、悪魔でも持つのだろうか。未だに出てこない答え。
それでも彼は、嬉しそうに笑う。
「知ってる」
そう言って、無精髭の残る顎に小さな口付けをくれた。
============================
冷静に考えて、黒騙されてね?www
ああ、いつのまに夜になっていたのか。そう思って、ベッドから降りて照明を付ける。傍らの熱を起こさないように、そっと。
壁際のスイッチを操作する。天井に設えていた蛍光灯が、わずかにぱちぱちと瞬きをするみたいに明滅を繰り返し、やがて部屋は柔らかな黄色に彩られた。
ふと、ベッドに残した毛布の塊を見やり、小さく苦笑する。
「よく眠ってるな」
少し長い銀の髪をそっと撫でて、そのまま自分もベッドに潜り込んだ。
本来、自分にはこんな廃工場の一角に残された部屋は必要ないのかもしれない。
かろうじて人間の姿をしているが、本性は悪魔そのものだからだ。ここに時折訪れているのも、単純に『人間の生活の真似事』をしているだけに過ぎない。
柔らかい人間の闇の塊。それが自分だ。
だというのに、腕に抱き込んだ彼は何でもないように自分に接してくる。
それが不思議に思ったが、満更悪い気はしなかった。
「……苦しい。おっさん」
抱き込んだ腕の中から、かすかに非難の声が上がった。そっと力を緩めると、綺麗な空色の瞳がこちらを見上げてきた。
起こして悪い、と囁いたが、軽く笑んで大丈夫。と返される。
まだ若い、しなやかな半身を起こして大きく伸び上がる。精悍な肉食獣を思わせる身体つきだというのに、その表情はまだどこか幼さを残していた。
これがあと何年もすれば、今の自分と同じ男になるのか。
以前それを指摘して不思議だと評価したが、その時は俺も、と頷いたのを思い出す。時系列の違う同じ人物が、この世界に数人存在するのはおかしいが、そのおかげでこいつを見つけた。悪くはない。
自分を生んだ本来の男の、過去の姿。
それを手に入れたのは、間違いなく自分だ。
煙草を吸いたくて、ベッドの端に寄せた煙草と灰皿を取り出すと、肘を付く彼があからさまに嫌そうな顔をした。そういえば、こいつら皆煙草は嫌いだったっけ。そんな下らないことを思い出したが、構わずに火をつける。
深く吸い込んで吐き出す紫煙を、彼は不思議そうに眺めていた。
「俺が煙草吸うのが、そんなにおかしいか?」
「おかしい、ってわけじゃねぇけど」
じゃあ何だ、と尋ねたら、自分と同じ考えを苦笑まじりで答えた。やはり、彼もそうなのか。一人勝手に納得する。
一本を吸い終わる頃合を見計らってか、なあ、と声をかけられた。
「ん?」
「腹減った。何か食えるのある?」
「……おいおい」
呆れるように肩を竦めた。そろそろ帰してやらないと、残された奴らが心配するだろうに。と、そこまで考えて、何でそんな心配をするのか自分でもわからなかった。
「連絡は入れるさ。あんたんとこにいる、ってのは、皆知ってるし」
「あ、そう」
ならば、好きにすればいいか。
わかった、降参だ。と呟くと、勝手知ったる他人の家とばかりにベッドを抜け出した。ついでに、床に落とした下着を拾い上げて身につける。
直に置いた電話をかけている間に、自分もベッドを降りて部屋の片隅にある冷蔵庫を開けた。いつも酒しか入っていないはずのそこには、いくつかの食材が安っぽいビニール袋にくるまれていた。これなら、簡単な晩飯くらいは作れるだろう。
「泊まっていいって言われた」
「おいおい、ずいぶんと放任主義だな」
電話を切った彼が、どこか嬉しそうな顔をこちらに向ける。一応(年を聞いたら)未成年に当たる子供を、連絡一ついれただけで泊まりの許可を与えるのはいいものか、少し悩む。
「どうせあんたのことは皆知ってるし、いいだろ。それより飯」
「わかったわかった。簡単なのでいいな?」
「おう」
どこか嬉しささえ浮かんだ笑顔で、彼は頷いた。
簡単に作ったオープンサンドを、ベッドに運んだ。家具がそれしかないから、ソファ替わりにして、二人並んでそれを食べる。
何故この時間を大切に思えるのか、自分でも不思議だが、それはどうでもいいことだった。目の前に、誰にも渡したくない存在がある。それだけで充分だった。
そっと名前を呼ぶ。自分を生んだ男の名前。
「ん?」
「愛してるよ」
こんな感情を、悪魔でも持つのだろうか。未だに出てこない答え。
それでも彼は、嬉しそうに笑う。
「知ってる」
そう言って、無精髭の残る顎に小さな口付けをくれた。
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冷静に考えて、黒騙されてね?www
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